ゆきわりそう30周年に想う


 1981年 「障害者の完全参加と平等」を目指した国連の国際障害者の10年がスタートした。

この年、東京都は府中療育センタ―闘争の「解決」のために日野療護園を開設した。

しかし、どんなに改革しても、地域を変えなければ生活の場になりえないということを痛感させられた。
 それは最寄りの京王線百草園駅の地下化工事により、エレベーターのない地下階段が障害者の外出を阻むバリアとなり、施設の外出の規制を撤廃しても、駅が外出の自由を奪うことが歴然としたからである。

  日野療護園入居者自治会を中心に、「誰もが使える百草園駅」の実現を目指してホームに直結するスロープ設置を地元住民とともに要求し、京王本社との交渉を重ね実現した。

その当時、多摩モノレールの計画が浮上していたが、各駅のエレベーター設置は未定の時代だった。
 時同じくして、車いすでも旅行できる列車の運行を求める「ひまわり号」を走らせる会の運動が開始され、日野でも立ち上げられた。全国の運動の先陣をきったメンバ...ーの中心に姥山寛代さんがいた。

  この運動がのちのゆきわりそうの原点となってきた。やまぼうしのおちかわ屋が創業したのは1985年。ゆきわりそうが創設されたのも1987年とほぼ同時期である。


  その後のゆきわりそうの30年の軌跡は、これまでの福祉業界や行政の常識を根底から揺さぶり続けてきた。福祉のパラダイム転換とはこういうことだ。


  今日の講演会のあった会場で、障害者と市民合同の「第九」をドイツ語で歌う合唱団の練習があり、短時間だが参加させていただいた。


来年の3月に予定されている「平和のために歌う祈りのコンサートin台湾」に向けての追い込みで、会場は熱気にあふれていた。

 1989年に「私たちは心で歌う目で歌う合唱団」が設立され、ベートーベンの「第九」コンサートをカーネギーホールをはじめとして各地・各国で重ねてきている。今日の練習会場で、台湾コンサートへ是非参加してとのお誘いを受けた。さて、さて・・・

 ゆきわりそうのマラソングループは、「夢伝goal inゆきわり走」とネーミングされ、「車椅子も、歩く人も自分なりのゴールを目指そう、それは人生そのものだ」を合言葉に、重度障害者も含むホノルルマラソンにも参加されている。


これまでに、有森ゆうこさんや増田明美さんなどのトップアスリートをコーチに招いている。来年の講演会のゲスト予定は増田さんとのこと。

  そのほか、オーシャンクラブは「野生のイルカと泳ごう 世界の海を旅しよう」、乗馬クラブ「ハローポキー」は群馬に障害者乗馬施設を開設し、「心と体にゆさぶりを 馬とのふれあい万歳」を満喫されている。


  講演会後の懇親会では、懸案の乗馬クラブの多摩開設、大規模災害に備えた広域避難所の開設構想、高齢期をむかえた親子が隣居できる新たな居住支援システムの開発、オーガニック食材を基軸にした6次産業の多摩地区と都心部との流通ネットの開業等々、熱い意見交換。


「夢は昼拓く」を実感した1日。
 

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